ディズニープリンセスとジェンダー

皆さんはディズニー映画、好きですか?私は英語の勉強を兼ねて時々観るのですが、プリンセスがみんなかわいくて一生懸命で、応援したくなって、気づいたら感情移入して見入っています。

さて、今回は私が先日大学院のグループワークで取り組んだ内容をご紹介します。3人グループで、テーマを自由に設定して、1か月間かけて共同で論文(みたいなもの)を書くという内容です。

オランダ、ギリシャ、そして日本出身の女子が集まって、決まったテーマは「ディズニー映画のなかのジェンダー表現」。ディズニー映画のなかで女性と男性がどのように描かれていて、それがどういうメッセージを発しているか、ということです。特に、ディズニーキャラクターの中でも典型的な「女性」である「ディズニープリンセス」に注目することにしました。

ディズニー映画のプリンセスが、その年代における理想の女性像を表しているというのは有名な話です。

例えば、初期のディズニー作品であるシンデレラや白雪姫では、ヒロインは「超受け身」。王子様に見つけてもらえるのをひたすら待つ存在です。しかも、王子様に出会ってから結婚までが一瞬。王子様はヒロインを「中身」ではなく「外見」で選んでいるわけです。これらは、「女の子は、外見が良くておとなしく従順であれば、王子様に愛されて幸せになれる」というメッセージと解釈することもできます。

もう少し時代が新しくなると、プリンセスは夢や目的のために自分で行動を起こすようになってきます。リトルマーメイドのアリエルは、王子様に会うために自分で陸に上がっていきますよね。美女と野獣のベルは、とらわれた父を助けるために一人でお城に乗り込んで行ったり。初期のヒロインとは違い、たくましさが感じられます。また、恋愛にもプロセスが追加されます。例えば、ベルと野獣は、時間をかけてお互いの内面を理解し、恋に落ちていきます。「自立して力強く生きる女性」「内面が魅力的な女性」が評価される時代になってきたということでしょうか。

もっと新しい作品になると、逆にプリンセスが男性を助けたり、戦いを挑んだりする描写も出てきます。ラプンツェルは、塔に侵入してきたフリンに対して容赦なくフライパンで殴りかかります。アナと雪の女王に至っては、「王子様」と言える存在が前面に出て来ません。「女性は男性に頼って生きるもの」という価値観が、すでに一般的ではなくなっていることがわかります。

このような背景を踏まえ、私たちは同じ作品のアニメ版と実写版を比較してみることにしました。取り上げたのは「シンデレラ」と「美女と野獣」。シンデレラのアニメ版は1950年リリースで、実写版は2015年。美女と野獣のアニメは1991年、実写は2017年。同じストーリーでも、年代に開きがあるからヒロインの描かれ方にも違いがあるはずだと思ったのです。今回は特に、ヒロインの話し方の違いに注目しました。

まずはシンデレラ。面白いことに、旧シンデレラ(アニメ版)のしゃべる回数は、新シンデレラに比べて半分程度なのです。これはまさに、「大人しく」「従順で」「自己主張しない」という、ディズニー初期作品の女性の描かれ方が表れていると言えます。また、女言葉の特徴であるとされるHedge(I think ~, や I guess~, とか Maybe…のような、断定を避けてソフトにする言葉)の使用も、旧シンデレラは新シンデレラと比べて約3倍ありました。新シンデレラの話し方は、旧バージョンに比べて、しっかりと「自己主張」をするキャラクターとして描かれていることがわかります。

美女と野獣のベルはどうでしょう。新と旧の描かれ方の違いがものすごくクリアに出ている場面があって、それは、ヒロインのベルがガストンの求婚を断るところです。旧ベルの断り方=”I just don’t deserve you.” なんとも相手への配慮が感じられる、慎み深い断り方!「私じゃあなたに釣り合わないから」と。ですが、新ベルはそこをバッサリと切り込んでいきます。”We could never make each other happy.” 「私たち、絶対に幸せになれないよ」。これだけはっきり言われると、何も言い返せないですよね。。。また、女言葉の特徴であるPoliteness marker(Pleaseなどの丁寧表現)の数も、実写版(2017年)ではアニメ版(1991年)の半分以下に減っていました。上の例にも言えますが、遠回しではなくはっきりと物事を表現するキャラクターとしてベルが描かれています。

ということで、同じ「シンデレラ」「美女と野獣」でも、アニメ版と実写版ではヒロインの描かれ方が違っており、その違いが「言葉遣い」にも表れていることがわかりました。時代の変化に合わせて、ディズニーの描く女性像も意識的もしくは無意識のうちに変化してきていると言えます。

とても興味深い調査でしたが、今度からディズニー映画を観るときこういうことが気になってしまってシンプルに楽しむということができなくなるかも…

↑↑ディズニー映画のセリフを通して英語表現が学べます。こんなことを言ってたんだ!という発見もたくさんあっておもしろいです。

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