社会人留学の現実 ー厳しかった転職活動ー

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皆様こんにちは!いつも応援ありがとうございます。オランダの大学院に社会人留学、その後現地で就職したChisakiです。

約3か月ぶりの更新です。この間何をしていたかと言うと、、転職活動をしていました。そしてその結果、2022年7月末をもって日本に帰国することになりました。これまで働いていたオランダ・アムステルダムのインターナショナルスクールから、日本にあるインターナショナルスクールに転職します。

悩みに悩んで、たくさん泣いて、たくさんの人に励ましてもらった転職活動でした。そのなかで、「留学せずに公務員の仕事を続けていたらこんな思いをしなくてよかったのかな」と思ったことも正直何度もありました。社会人留学をしてその後の就職(転職)がどうなるのかというのは、このブログを読んでくださっている皆さんも気になるところだと思います。私の留学前の仕事は「高校教師」、留学時の専攻は「教育系」という特殊なバックグラウンドなので、参考にならない部分もあるかもしれませんが、現実として私が直面した諸々の問題をありのままにシェアしていきたいと思います。(長文です)

「所詮アシスタント」

アムステルダム大学大学院を修了後、現地で就職したのはインターナショナルスクールでした。肩書きはLearning Support Assistantといって、主に算数や言語(英語)に支援が必要な生徒の横について彼らの学習をサポートするというものです。

日本での教職経験が生かせる、労働環境が良い、オランダ語ができなくても働ける、という、まさに私にうってつけの仕事でした。英語のみの環境で仕事をするのが初めてだったこと、そして特別支援教育という分野が私にとって未知の世界だったこともあり、本当に毎日が学びの連続でした。

ディスレクシア(失読症・スペリングを覚えたり読んだりするのが苦手)やディスカルクリア(数的情報の処理が苦手)を抱える生徒たちと一緒に作業して「できた!」と喜ぶ彼らの顔を見るのは嬉しかったし、同僚や保護者の方からポジティブなコメントをもらうことも多くて、それが誇らしくもありました。

その仕事を通してたくさんの知識やスキルを身に付けることができ、生徒の学習にも貢献することができた。そのことは事実で、だからこそ私にとっては素晴らしい自慢できる仕事、経験・スキル・熱意が無いとできない仕事、かけがえのない経験、という認識でした。

が、一方で「アシスタント」という仕事に対する一般的な見方は違います。インターナショナルスクール業界ではアシスタントは「誰でもできる仕事」と思われています。つまり、どれだけ「アシスタントとして〇〇を身に付けて〇〇に貢献しました!」と叫んだところで、その経験はキャリアとしてほとんど評価されないのです。このことに気づいた時は悲しくて悔しかったです。とにかく今後もインターナショナルスクールでキャリアを積んでいきたいと思っていた私は、このまま「アシスタント」を続けていても先につながらないという気持ちから「ティーチャー」(教室の中でメインで教える先生)になることを目指して転職活動を始めました。

そもそも不利である

そもそも圧倒的に不利な条件で勝負しようとしている、ということを自覚するまで、けっこう時間がかかりました。

昨年11月頃から約半年間、日本とオランダ両方のインターナショナルスクールでのティーチャーの求人を見つけては応募し続けました。その大半は返事なし、もしくは面接までこぎつけても希望とは違う職種を提案されたり、待遇が私の望むものではなかったり、上手く進みませんでした。

極めつけは、自分の勤めている学校から出たEAL Teacher (インターナショナルスクールにおいて英語が母語でない生徒に英語を教える先生)の募集。こういう時、基本的には内部の応募者が有利になるものですが、私は面接すらしてもらえず。聞いたところではその1件の求人に対して90人以上の人が応募してきたとか。それを聞いて、そりゃ無理だわと思いました。英語はまだまだ完璧には程遠い、日本の教員免許しか持っていない(英語圏以外の教員免許はほぼ無意味)、インターナショナルな環境で正式に教えた経験はゼロ。そんな状態の私が、何十人もの経験豊富なネイティブスピーカーたちが応募してきている中で、選ばれるわけがないのです。

そしてやっと気がつきました。そもそも土俵にすら上がれていない、勝負になっていないと。

「インターで教える」ことにこだわっていては埒が明かない。それなら、自分が持っている日本での社会人経験とオランダで働いた経験の両方を生かせる、そういうバックグラウンドがきちんと評価されるような仕事を探そうと決めました。

「未経験可!」「資格不要!」

教える仕事へのこだわりを手放して、まずしたことはリクナビなど転職サイトへの登録。もともと使っていたLinkedInでも教育関係以外の情報を検索し始めました。

転職サイトって、登録したプロフィールをもとに「こんな求人どうですか?」みたいなメールが送られてきますよね?私に送られてくるのは「未経験の方も活躍中!」「資格不要!熱意があればOK!」みたいなメールばかり。あぁ、私はプロフィール的にそういう選択肢しか無いのか、と落ち込みました。

まぁそれもそのはず、ビジネスに役立ちそうな資格もない、ファイナンスの知識があるわけでもない、法律のことがわかるわけでもない、ITに詳しいわけでもない、営業のスペシャリストでもない。新卒ならまだしも、オーバー30でこの状態の人間を誰が雇うねん、て感じですよね。英語が多少できるとか、海外で働いた経験があるとか、それだけでは転職市場では話にならないわけです。

高学歴&年齢の壁

もうひとつ感じたのは高学歴と年齢の壁。年齢の壁は、わかりやすいです。「長期的なキャリア形成を図るため、応募は35歳以下の方に限らせていただきます」という文言が求人情報に載っているのを頻繁に見ました。

もうひとつは、「高学歴」であることが足枷になっているのではないかという点です。私は自分のことを「高学歴」と呼ぶつもりはありませんが、海外の大学院を卒業したという経歴は世間一般的に見れば「高学歴」と言うんだろうと思います。海外で大学院に行っていた、オーバー30の女(しかも元学校の先生)、、、なんかもう、それだけで扱いにくそうな感じ、しません?(笑)特に伝統的で保守的な日本の会社では歓迎されなさそう。

実際、日本企業、外資系企業、学校系など色々な採用先に応募書類を送った中で、日本企業はことごとく書類で落ちました。もちろん、落ちたのは学歴だけが原因ではないのはわかっていますが、学歴を含めた私のバックグラウンドをおもしろがってくれることが多かった外資系企業に対して、日本企業からはそういう雰囲気を感じませんでした。

何でもいいから雇ってください状態

そんなこんなで、とりあえずは「海外就職で身に付けたコミュニケーションスキルや問題解決能力を生かせそうな仕事」という、ものすごく曖昧な基準で、以下のような仕事に応募して面接に呼んでもらうことができました。

外資系の転職支援コンサルタント

日本に参入したい海外企業を支援する会社のスタッフ

オランダに駐在する外国人をケアするリロケーションカンパニー

特許事務所の事務員

大学で英語を教える講師

はい、、、もう、見てわかる通り、軸がブレブレで何がしたいのか自分でもよくわかっていない状態でした。というか、はっきり言って、何でもいいから雇って欲しいという気持ちでした。「インターで教える」にこだわらないと決めた以上、英語を生かして人と関われて一定以上の収入がある仕事なら何でもよかったんです。何でもいいと言うとネガティブな感じがしますが、これを機にまた新しいことを学べるんだからそれでいいじゃん、と、私のなかでは至って前向きでした。未知の世界に飛び込むワクワク感もありました。

とは言え、面接で”I am definitely interested!(ぜひその仕事やりたいです!)”と、口では言いながらもなんか違う気がする、、。だましだまし面接を通過して、内定の一歩手前まで行ったものもありましたが、やっぱり面接をしてくれた方々には見透かされたんだと思います、私は心からその仕事がしたくて応募しているわけではない、ということが。

A right thing will come.

インターで教える仕事も無理、他の仕事もなんか違う。意気揚々とオランダまでやって来て、たくさんの時間とお金と労力をかけて3年間過ごしてきたのに、、それが何にもつながっていない、、こんなことになるために留学したんじゃない!と、極端なネガティブ思考になって1週間ずーっと泣いて過ごすみたいなこともありました。

どうしていいかわからなくてめそめそする私に、仲の良い同僚がかけてくれた言葉がこれ。”A right thing will come.” 自分にふさわしいものがいつかやってくる。あなたが行くところは必ずあるから大丈夫、と。

それで、本当にそうなりました。ずっと働いてみたいと思っていた日本のとあるインターナショナルスクールで、マーケティング(広報)職の募集が出たんです。今の学校でマーケティングの仕事もさせてもらっていたし、学校の広報なら教えることは無理でも生徒たちと関わる機会もあるし、日本にあるインターだから日本と海外両方の経験を生かせるし、我ながらperfect fit!だと思いました。3回の面接を経て、マネージャーとして一緒に働く予定の方や校長先生も同じように思ってくれて、、、ありがたいことに内定をもらうことができました。

半年以上にわたる、長い転職活動でした。自分が何をしたいのかわからなくなってそんな自分の状態も嫌になったり、自分は世の中から必要とされていないのかと自信をなくしたり、もう正直本当にしんどかったです。

ですが、全てのことは理由があって起こっていると思っているし、オランダで留学&就職をしたからこそ今回新しい進路を見つけることができたし、この長いプロセスを乗り越えたからこそ一段と強くなれた気がするし、なんかもう全体的にありがとうございますという感じです。←まとめ方が雑。

そういうわけで、大好きなオランダで過ごすのは残り1か月となりました。最高に美しい国をしっかりのんびり楽しみたいと思います!

*私が実際にアムステルダム大学に提出・合格した志望理由書、英文推薦状、海外でインターンに採用してもらえたカバーレター、CVの書き方などをnoteにて公開しています。こちらのリンクからチェックしてみてください。

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