おすすめの本 “異文化理解力”

皆さまこんにちは!いつも応援ありがとうございます。今日は私が最近読んでとても面白かったエリン・メイヤー著「異文化理解力」(原題: The Culture Map)という本をご紹介します。

この本では、各文化におけるコミュニケーションに対する考え方の違いやその背景が、様々なビジネスシーンでの具体例とともに解説されています。私としては、文化の違いについてなんとなーく感覚として思っていたことを、きちんと言葉にして説明してもらえてすごく納得した、という感じです。仕事で海外と関わる方はもちろん、留学や移住で海外生活をする方にとっても興味深い内容だと思います。

それでは、特に面白いと感じたポイントを3つご紹介させてください。

2種類のコミュニケーション -Low context (ローコンテクスト)とHigh context (ハイコンテクスト)-

世界には大きく分けて2種類のコミュニケーションの形があると言われています。異なる文化の人とビジネスをする時は、相手がどのようなスタイルのコミュニケーションを好む(慣れ親しんでいる)のかを理解することがスムーズな意思疎通のカギになります。

ローコンテクストなコミュニケーション

コンテクスト(文脈、共通認識)に頼らないコミュニケーション。良いコミュニケーションとは明瞭でシンプルなコミュニケーションである。分かり切っていると思われることでもきちんと言葉にして伝える。アメリカ、オーストラリア、オランダ、ドイツ、北欧の国々などではこのタイプのコミュニケーションが好まれる。

ハイコンテクストなコミュニケーション

コンテクストの理解がカギとなるコミュニケーション。伝えたいことをはっきりと言葉にすることは少なく、ほのめかして伝える。良いコミュニケーターとは、上手に「行間で」伝え、言われなくても「行間が読める」人のことを指す。日本、韓国、インドネシア、インドなどで好まれる。ラテン系の言語を話す国(フランス語、スペイン語など)もどちらかというとこのタイプ。

この話を読んでいて思い出したのが、日米のコメディーの違いに関する話です。日本のコメディー(漫才)は、漫才をする側と聞く側が同じ言葉や文化的背景を共有しているから、言葉を使った複雑な笑いが実現する。一方、アメリカでは必ずしもお互いに何かを共有しているとは限らないから、誰が見ても理解できるシンプルな笑いや視覚的な笑いが好まれる、というもの。まさに「ローコンテクスト」と「ハイコンテクスト」の違いが出ていますね。

文化の「位置」で感じ方は変わる

先ほど、ハイコンテクストな文化の話のところで「え?フランス人やスペイン人もハイコンテクスト?ラテン系の人ってストレートに物を言うイメージがあるけど。」と思った人もいるのではないでしょうか?これには、それぞれの文化がお互いから見てどこに位置しているかということが関係しています。

一直線上のいちばん左側をローコンテクスト、右側をハイコンテクストとしましょう。アメリカは、いちばん左に位置し、究極のローコンテクスト型コミュニケーションと言えます。反対に日本はいちばん右に位置し、世界でも屈指のハイコンテクスト型と言えます。ラテン系は、そのちょうど中間から少し右寄りに位置します。すると、いちばん右端の日本から見れば、確かにラテン系は「私たちと比べると」はるかにローコンテクスト、つまりハッキリ物を言うように感じられます。しかし、例えばアメリカの人たちから見ると、ラテン系のコミュニケーションは比較的ハイコンテクストであるということになるのです。

時間に対する感覚についても、なるほどと思える例が紹介されていました。「インド人は、フランス人が時間に厳しく融通が聞かないと不満を言う。一方アメリカ人は、フランス人がスケジュールを守らず平気で遅れてくることに腹を立てる」と。同じフランス文化を、「どちら側」から見ているかによって、感じ方が変わってくるのですね。

だから、異なる文化の人と仕事をするときはお互いの文化の相対関係を理解することが大切だと筆者は書いています。

「人」に反論しているのか、「意見」に反論しているのか

私たち日本語話者が不得意な「議論」の話ですね。人の意見に反論することに関しても世界には大きく分けて2通りの考え方があります。

対立型

意見の相違や議論は組織にとってプラスになるものと捉えられる。一人ひとりの意見は違うものだと言う前提がある。反対意見はあくまでも「意見」に反対しているのであって、その人自身を否定しているわけではない。そのため、意見の対立が人間関係に悪影響を与えることはない。

対立回避型

意見の相違は組織にとってマイナスなもの、と言う捉え方。特に目上の人物に表立って反論することは避けられる。チームの調和を保つことが何よりも大切なので、意見の対立が人間関係にネガティブな影響を与えることもある。

おわかりの通り、日本は確固たる対立回避型ですよね〜。他にインドネシア、タイ、ガーナなどが対立回避型の文化を持つ国として挙がっています。対立を厭わないのはイスラエル、フランス、ドイツ、オランダなど。アメリカやイギリスは意外と(?)中間あたりに位置しています。

私が働いているインターナショナルスクールにも色々な国出身のスタッフがいるわけですが、以前職場のルールについて話している時、オランダ人スタッフが校長にとても明確に反対意見を言っていてちょっと驚きました。I disagree with your point because...”と。私だったらちょっとこの言い方はできないなと思いました。が、彼女たちにとっては「反対意見を言うことは建設的なこと」なので、逆に私が意見を言うのを躊躇する感覚は理解できないでしょうね。

これも、どちらが良いとか悪いとかいうことではなく、お互いの文化をよく理解して、お互いにとって気持ち良く仕事を進められる方法を一緒に見つけていくことが大切ですね。

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ということで、「異文化理解力」を読んでなるほどなと思った部分をご紹介してみました。まだまだ書きたいことはたくさんあるのですが、長くなりすぎてもダメなのでこのくらいにしておきます。

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