おすすめの本「わかりあえないことから」〜コミュニケーション能力とは何か〜

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皆さまこんにちは!いつも応援ありがとうございます。オランダの大学院に社会人留学、その後現地で就職したChisakiです。

ロシアーウクライナ情勢が日々悪化しています。すでにたくさんの人が大切な命や住む場所を奪われ、今後どうなるのかは誰にもわからず、私自身ヨーロッパに住む身として不安な日々を過ごしています。現在のウクライナ情勢は異文化理解が云々という次元の話ではありませんが、こんな時だからこそあえて「他者を理解するとはどういうことか?」「コミュニケーションとは何か?」をテーマにした本をご紹介してみたいと思います。

※以前にご紹介してとても好評だった「異文化理解力」はこちらからチェックしてください↓↓海外に留学する方、海外で仕事をする方にぜひ読んでいただきたい一冊です。

おすすめの本 "異文化理解力"
皆さまこんにちは!いつも応援ありがとうございます。今日は私が最近読んでとても面白かったエリン・メイヤー著「異文化理解力」(原題: The Culture Map)という本をご紹介します。この本では、各文化におけるコミュニケーション...

本日ご紹介する本「わかりあえないことから〜コミュニケーション能力とは何か〜」は、コミュニケーションについてわかりやすい文体で書かれた平田オリザさんの著書です。平田さんは劇作家なので、演劇とコミュニケーション教育の関連についてもこの本の中で触れています。異文化コミュニケーションに興味がある人のほか、教育に関わる人にもおすすめしたい本です。それでは、本のなかで特に面白かった考え方を3つご紹介します。

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コミュニケーション力とは慣れのレベルの問題である

コミュニケーションが苦手な人は、人として「劣っている」のか?

日本で就職活動などしていると「コミュニケーション力」がやたらと重視され、コミュニケーション力が無い学生は劣っているかのような錯覚に陥ります。また、誰に対してもフランクに話しかけて朗らかにコミュニケーションをとることができる欧米人を見ていると、それができない日本人の自分は欧米人より劣っているような錯覚に陥ります。

しかし、そうではなくて、コミュニケーションが上手な人というのはコミュニケーションに慣れているだけだ、というのがこの本の主張です。確かにそうだと思います。コミュニケーション力の高い学生とは、アルバイトや学校生活、家庭環境などを通していろいろな人間とコミュニケーションを取ることに慣れている学生。コミュニケーションが得意なように見える欧米人は、フランクに話しかける欧米式コミュニケーションに慣れているだけ。そう考えると、その社会で生きていくのに必要なコミュニケーション能力は、きちんと練習することによってある程度は身につけられるのだということがわかります。

これは、海外で外国語を使って生活するのなら尚更ですよね。私自身、オランダ留学が始まって以来(今も)しょっちゅう「うわー私ってコミュ力低いな〜」と自信をなくすことがあるのですが、自分が慣れ親しんだのとは違う文化(コミュニケーションスタイル)の中で、しかも自分の母語とは違う言語を使って生活しているのだから、そのように感じるのは当たり前です。焦らずじっくり時間をかけて慣れることが大切。

近いからこそ起こる文化の摩擦

もしかするとこれはロシアとウクライナが「わかりあえない」ことの理由の一つかも知れません。

私たちが異なる文化を持つ人と接するとき、文化の違いは「明らかな差異」として意識され、その差を解消しようと努力する。しかし、近い文化の人と接するときには「些細な差」が生じる程度であり、些細であるがゆえに解消しようと意識されることが少なく、その結果、積もり積もった違和感が摩擦を生み出す。ということが書いてあります。

具体例として、家に上がるときに靴を脱ぐということが挙げられています。日本では靴を脱いだら靴の向きを出口の方へ向けて揃えることが良しとされています。しかし韓国では、それをすると「そんなに早く帰りたいのか」と捉えられることがあるそうです。靴を脱ぐという文化を共有しているからこそ起こる「小さな違和感」ですね。これが、例えば靴を脱がないオランダの人とのコミュニケーションであれば「我が家では靴を脱いでください」で済みますよね。

お互いのことをよく知っていると思いがちな相手に対してこそ、わかりあえない部分にしっかり目を向け、その解消に向けてコミュニケーションを図ることが大切ですね。

言語的弱者を理解する

これからの時代に大切になってくる力は「言語的弱者」を理解する力である、とこの本には書かれています。言語的弱者とは誰か?それは自分の言いたいことを論理的に言葉で表現できない人、例えば子ども、外国人、精神的に参っている人、などが当てはまると思います。そのような人たちが何か声を上げた時に、それを言う事によって本当は何を言おうとしているのかを理解しようとすることが大切である、と。

その例として、癌の患者さんの家族とお医者さんの話が紹介されています。癌の旦那さんを看病する奥様が「この薬は効いていないのではないか?」と看護師さんに毎日毎日つっかかってくるので困っていたところ、同じ質問をされたお医者さんが「奥さん、辛いよね」と声をかけた。すると、奥様はその場で泣き崩れたが二度と同じ質問をすることはなかったという話です。つまり、その奥様は本当は薬のことを聞きたかったのではなく、辛い気持ちに共感してほしかった、でもそれを上手く言葉にできなかった、ということです。

ちなみに私自身も今の仕事場では「言語的弱者」です。同僚のほとんどは英語のネイティブスピーカーなので。それで、半年くらい前に一度、まさに「本当は何を言おうとしているのか」を理解しようとしてもらったことがありました。仕事のことで校長に要望(不満)を伝えに行った時、言いたいことを英語ではっきりと説明できなくて、最終的には感情だけが突っ走って泣いてしまうということが起きました。その時「なぜ今こんな気持ちでここに来ることになったのかを一緒に整理しよう」と言ってもらえて、そこから落ち着いていろいろと紙に書きながら言いたい内容を整理することができました。リーダーがこのように振る舞ってくれるととても安心できる、ということが身をもってわかりました。

ということで、「わかりあえないことから」の本の中で私が特に共感した部分を3つ挙げてみました。他にもいろいろな角度からコミュニケーションに対する考えを深められる本です。ぜひ読んでみてください!(下記の画像をクリックするとAmazonのページが開きます。)

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